今回はちょっと懐かし同人活動というオタク的な昔語りです。
「会員制サークル」このワードをネットでふと目にして、当時の思い出が蘇り、懐かしさのあまりちょっと語りたくなりました。
同人?サークル?なにそれ?な方は興味ない記事かもしれません。
自分はアラフォーですが、中学生の時に二次創作や同人活動という世界を知りましたが、そんな同人の世界を知るきっかけになったひとつが、「会員制サークル」の存在でした。
同人を知るアラフォー以上の人は、懐かしい!と思うかもしれませんね。
同人活動というと、同人誌を作ってコミケなどの即売会で頒布するという創作活動ですが、それとは別に会員制サークルという活動もあったのです。
会員制サークルが何かというと、会長が同好の士(会員)を集めて、会費とイラストなどの原稿を寄稿してもらい、集まった原稿を編集して1冊の紙の本(会報)にまとめ、会員に発送します。
会報は数ヶ月に1回、定期的に発行されます。会報に載せる原稿も、イラストなどの創作物だけではなく、フリートークとか、テーマを決めた企画とか、私信とか、お友達募集などさまざまでした。
会員同士のクローズドな交流活動ということですね。
ジャンルはマンガとかアニメとかゲームとかオリジナル創作とか、サークルによって様々でした。ジャンルを問わない所は「よろずサークル」とか書かれてましたね。
で、どのように会員を募集するのかというと、ネットが普及してない時代は主に投稿雑誌を利用していました。雑誌の該当コーナーに「サークル会員様募集!」というハガキを書いて送り、運良く掲載されたら、それを見た人たちから入会希望のお手紙が届くわけです。
当時は個人情報ユルユルだったので、皆普通に掲載面に自宅住所と本名書いてましたね。
(同人誌の奥付にも発行者の住所氏名書いてるのあたりまえな時代でした)
会長はサークルの紹介やルールなどを記載した入会案内書を作って送付します。当時は全部郵送でのやりとりです。
会員制サークル活動は昭和の時代からあったようですが、私が中学生だった90年代後半にもこういうサークルがたくさんあり、自分もいくつか入っていました。自分もイラストなどを描いて投稿してたし、他人の投稿を見るのも楽しかったです。会報が届くのが毎回楽しみでした。
でも、会員制サークルは2000年代に入ったあたりから見なくなりましたね。
ネットが普及して個人サイトが活発になり、気軽に他人と交流したり創作物を発表できるようになったからかもしれません。
でも探してみると現在も活動されている会員制サークルも少ないながらもあるようで驚きました。
サークルのWebサイトが、ちゃんと今も更新されていたり、昔ながらの紙の本の会報を発行されていて、ちょっと感動してしまいました。
会員制サークルに入会しても、たいていの所は数か月から1年位で音信不通になり自然消滅することが多かったので、2、30年と長く運営されているのはすごいと思います。
ちなみに、私もかつて会員制サークルを運営していた頃がありました。
中学生の時に友人と一緒に「イラスト投稿中心ジャンルよろずサークル」を立ち上げて、4年ほど活動してました。年に3、4回ペースで会報を発行してましたね。
会員から集めた原稿を編集し(もちろん当時は全てアナログです)コンビニでコピーしてせっせと手製本してましたね。懐かしいです。
会員は20人前後だったかな。募集かけて会員増やしても、途中で音信不通になる会員も多かったです。
発足から終わりまで紆余曲折ありましたが、編集作業とか会員さんとのやり取りとか、色々思い出して懐かしいですね。
皆好きなジャンルや作品はバラバラなのに、各々自分の好きなものを描いたり近況トークしたり他の人の作品に感想言いあったりして。皆自由に表現していました。プロ並みに絵が上手い人もいたなぁ。
時差のある紙面での交流というものもあるからなのか、のんびりとした雰囲気でしたね。
会員さん達と実際にお会いして遊ぶ、というオフラインの交流もありました。
コミュ障のくせにこんなことできたのも若さゆえと、一緒にサークル運営してた相方のおかげですが、相方は途中で抜けて最終的に自分一人でやってましたね。
会員にも色々迷惑をかけたと思います。
発行した会報は創刊号から最終号まで全号保管しています。
当時の会報を見返すと自分のあまりのへたくそな絵と痛いテンションにのたうち回りたくなりますが、読むたびにあのころのゆるい雰囲気を思い出して懐かしくなります。
ちなみにもうアクティブな同人活動はしていませんが、趣味の創作は今でも細々と続けています。
創作活動の場も、現在はSNSが主流になってますよね。
今はSNSで交流が手軽になった分、瞬間的に感情をぶつけやすくなって、悪意や嫉妬、過度な承認欲求、人間関係のゴタゴタなど負の面も表に出やすくなってるように感じます。
いいねの数などで否応なしに評価される環境も良くないと思います。
私は楽しさよりも疲れることが多くてSNSでの創作活動は辞めてしまいました。
今は壁打ち(他人と関わらずに一人で活動)ができるプラットフォームで静かに創作してます。
ネット上でもぼっちを極めていますが、気は楽です。
当時のんびり創作を楽しめたり、わりとアクティブに他人と関われたのは、小さな規模での交流とやりとりの不便さによる距離感があったからなのかなと思いました。
若さゆえの無謀さもあったと思いますが。
あの時代と、あの頃の自分が懐かしく少し羨ましいです。
という思い出話でした。